泥棒と生活

Sidの海外紀行

 赴任して3ヵ月後のある日、何時もの様に午後7時ごろ会社から帰宅し、ドアーを開け内部に入ると、部屋が散らかっているので、朝出掛けに散らかしたのか なと、単純に疑問を抱きながら寝室の灯りをつけびっくり。寝室のタンスは全て開けっ放しで、寝具が散らかった状態を見て初めて泥棒に入られた事を認識し た。
 早速、警察に電話し直ぐに来てくれと言った。しかし、1時間待てど来ないので再度電話し早く来てくれと頼んだ。来たのは実に1時間半後にやって来て、数 分見回し通路側の部屋のドアーが開けられた事を確認し、特別調べることもなく、無事でよかったと言って帰ってしまった。その間10分も居なかった。指紋で も採取し捕らえる準備をするのだと早とちりした自分が情けなくなった。兎に角、警察はただ見ただけで帰ってしまった。
 翌日、友人に聞いたら、警察は何もしない。むしろ古道具屋を見に行った方が盗まれたものが見つかるかもと言われた。
 オーストラリアは日本と比べ電化製品、車が高く、中古品でも高く売れる。しかも古道具屋が実に多い。泥棒は盗んだら直ぐに中古屋に売り、金に変えるらし い。幸い、単身赴任でお金は自分が全て持ち歩き、家には一銭も無く、盗まれたのは日本で買った新品の一眼カメラ、ビデオカメラ、プリンタであった。古い一 眼カメラFTはそのまま置いてあった。
 単身赴任で、出勤時間、帰宅時間がほぼパターン化されているので外部の道路から、直ぐに不在時間がわかってしまう。私が借りた家はフラットで、日本流に 言えばマンションで、セキュリテイは比較的厳しい。共同の入り口はセキュリテイの鍵が無いと入れない事になっている。しかし、工事やガーデニングのメンテ の人は平気で出入りしている。泥棒に入られた時も工事をしていた時期だ。同僚の多くが泥棒に入られ、中には帰国寸前に2度も入られた人も居る。これは、帰 国セールで、室内を他の人に見せるため、中には泥棒の下見に来る連中も居ると言われている。
 翌日、このフラットを紹介した不動産屋に連絡し、通路側の部屋のドアーのガラスを張り替えてもらい、更に2重の鍵を取り付けてもらうことにした。更に近 所の古道具屋を5件程度覗き込み、盗まれたものがないか調べたがなかった。カメラ類には全て名前と住所が書いてあるので見つければ、これは私のだと主張出 来ると考えたからだ。その後も1週間ばかり機会ある毎に調べたが、残念ながら見出せなかった。保険にも加入してなかったので、盗まれ損のままだ。
 この事件があってからは、出社時間、帰宅時間を多少変化させ、更に家の中をラジオをつけっぱなしにし、金目のものは分散し隠す事にした。更に日本に出張 で1〜2週間留守にするときは隣のオーストラリア人の老夫婦(定年で何時も家に居た)に連絡し出かけるようにした。其れからは、幸い5年間、2度と泥棒に は入られていない。
 
 参考: Google Earth 33°49'24.30" S, 151°14'26.20" E

Mosmanのフラット
借りていた家の中庭

共同の出入り口

玄関とリビング
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