医療制度 その一(June 2005)

櫨本さんの海外紀行  NO. 002

 挿入話2   医療制度その一

 1990年代、日本から米国に行った時面食らったのが、医療制度の仕組みと習慣の日本との違いです。具合が悪くなった時、救急車を呼ぶのが911番ということ以外は、自分で医者の所に行くというのは日本と変わりませんでした。しかしながら、日本では、大病院に行くか、個人医院に行くかの選択は患者の自由ですが、米国では大きな病院に直接行くのは特例でした。個人医院、それも家族全員が日頃お世話になる、所謂ホームドクター(主治医)の所に先ず行くのが通例です。大病院に行くのは主治医が診断する為の検査を病院に依頼したり、主治医の診断により入院するために紹介される時なのです。現在は日本でも患者が直接大病院に行くのを制約するために主治医の紹介がないと診療費を上乗せするようになりましたが禁止しているわけではありません。(紹介状を書いてもらう費用がかかるのでこの制度は患者が大病院に行くのを制約するのにはあまり役立っているとは思えません)直接主治医が患者に入院するかどうか尋ねる場合もあります。入院した後も患者を治療する主治医は、あくまで最初に診断した医者で、その医者が病院にも来て様子を診る事になります。主治医が他の専門医を必要と思うと、主治医が患者に他の専門医を呼ぶかどうか確認の上対応する事になります。検査医も病院とは独立している事もあります。病院専属の医者か否かは、退院した後で送られて来る請求書の内容からわかります。というのは、退院の際の請求書と、退院後送られてくる各種支払請求書により請求元がわかるからです。忘れた頃に送られてくる請求書もあります。

 筆者が凡そ8年間米国に滞在していた間、それほど具合が悪くはならなかったのでホームドクターはいませんでした。たまに具合が悪くなった時に、近くのクリニックに行きましたが、このシステムが又分かり難いのです。予約なしの時はすべて救急医療と見なされ、手の空いた医者が診断するのです。しかし2回目以降は、主治医が決められますがが、その時、初診と全く同じ、詳しい質問が繰り返される事になります。カルテ、検査結果は連絡されているようですが、その他の情報は伝わらないのか、主治医が自分で確認したいためかわかりません。日本と異なり、本人に関わる情報は請求すればすべて本人に渡されますから、医者を変えたり病院に変える時は、患者がそれらの情報を持っていけばよいので、医者を代えるたびに何回も同じ検査をされる事はありません。米国のカリフォルニアにまる8年いた間にいろいろ日本との違いに気付きました。最近はこれに類する本も多く出版さ れていますが、私なりの感想を挿話風に書いてみます。かなり分量がありますので分けて書きます。

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