医療制度 その二(July 2005)

櫨本さんの海外紀行  NO. 003

 よくしられている事ですが、米国では日本に比べて入院期間は極端に短い。盲腸などの手術なら1日、
心臓の大手術であっても3日から、どんなに長くても1週間は超えません。理由は

1) 米国の医者は、早く退院したほうが、早く完治すると考えているからです。実際、日本のように長く入
  院しますと、リハビリの為、更に入院期間が長くなるという悪循環を生じるのです。
  最近日本でも手術後リハビリを兼ねて早いうちに歩かせるようになってきましたが入院期間はそれ
  ほど短縮はしていません。
2)米国の医療費は、日本に比べ非常に高い。そのため、患者はその様な高価な入院を続けたがらない
  のです。
3)米国の医療保険会社は医者に出来る限り短期間で退院させるように仕向けます。つまり医療保険会
  社の査定が非常に厳しく、入院期間が妥当であると査定されないと入院費の医療保険会社負担分が
  削減されるのです。これは米国の医療保険が、65歳以上の高齢者と、低所得層を除き、全て民営企
  業により行われているからです。私の研究所に所属していた研究所所員の例があります。彼がスタンフ
  ォード大の付属病院で、非常に先端的、且つ特殊の手術を行った時、保険を使ってもなお1万数千ドル
  の請求がありました。医療保険会社はそのうち数千ドルだけしか認定しませんでした。担当医師が保
  険会社に何度も説明をしましたがなかなか認められませんでした。保険会社は他の専門医にチェックさ
  せたり、説明書類を何度も要求したりして、正に裁判と似た手続きが必要でした。私が会社を通じて保険
  会社と交渉してもらいましたが拉致があきませんでした。最終的には全額の支払いを受ける事が出来ま
  したが、この間、およそ1年半も経過していました。
  現在、米国ではこの様な問題を避ける為、患者、支払者側には充分の治療を保証し、医者、病院側に
  は、患者の確保、即ち、収入の確保を保証する役割を果たす、マネージドケアーと称する事業形態が、
  急速に発展しています。日本の健康保険制度の破綻に対する解決法の1例です。

最近日本でも定額制の治療が検討されたいますが実施されるのはいつのことかわかりません。

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